レンギョの大量死について…川太郎さんブログから転載です!
レンギョの大量死。
私も非常に疑問に思っておりましたが、他県であり釣り場も違うので「どうしてこんなことが起こったのかなあ?」で思考停止しておりました…。
が、川太郎さんは違います。
しっかりと渡良瀬遊水地の河川管理事務所に問い合わせを原因について調査されております。
大変ためになりました。
是非御覧ください。
遊水地で魚の大量死 - 魚はなぜ逃げなかった
「遊水地で魚の大量死 - 原因は酸欠?」という記事を書きましたが、その続編です。
酸欠で魚が死んだというニュース記事を読んで、疑問を持ちました。「魚は渡良瀬本流に逃げられなかったのか?」ということです。
渡良瀬遊水地は渡良瀬本流とつながっていて、渡良瀬本流から水を取り込んだり、放水したりしています。ならば、魚たちも悪化した水質の場所から、酸素を豊富に含んだ本流に逃げ出しても良さそうです。
これが気になったので、渡良瀬遊水地・河川管理事務所に電話して訊いてみました。担当の方は丁寧に対応してくれました。こちらからの質問とその回答です。
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質問:魚の大量死が起きた際、魚たちは渡良瀬本流に逃げられなかったのか?
回答⇒
・水門が閉まっていたため、魚は本流には逃げ出せなかった
・水門を上げて、渡良瀬本流に放水することで干し上げを行うが、最低水位になると水門を閉じる。魚の大量死が起こったのはこのタイミング(2022/3/14)。
・2022/3/26に水門を開けて本湖(谷中湖)に水を入れ始めた。水を入れ始めてからであれば、魚の大量死は起きなかったのではないかとは、考えられる
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干し上げの際の放水中であれば、魚は渡良瀬本流に出ていくことはできたが、最低水位になった時は、水門が閉まり、少なくなった水の中に閉じ込められてしまうのですね。
遊水地の水量が大幅に減少し、水門が閉まる
→魚が過密状態に
→「何らかのこと」で何匹かの魚が死ぬ
→腐敗によりアンモニア発生
→アンモニアと腐敗物を分解する好気性細菌が急激に増える
→好気性細菌が酸素を消費し、酸欠に
→さらに多くの魚が死ぬ
→腐敗によりアンモニア発生
→アンモニアと腐敗物を分解する好気性細菌がさらに急激に増える
→好気性細菌が酸素を消費し、さらに酸欠に
・・・のループで、悪化状況はどんどんエスカレートしていくのだと考えられます。
水槽で過密飼育をすると、ちょっとしたことでバランスが崩れたとき、上記のような流れで、水槽の魚が全滅になります。
遊水地でも、その時は谷中湖の中央に残った浅い水たまりの中に魚がぎゅうぎゅうに集まっていて、過密状態の水槽のようなものだったのでしょう。
今回の魚の大量死も「何らかのこと」の部分、つまり、トリガーの部分が不明なだけで、根本の原因は「干し上げ」によって魚が過密状態になっていたからだろうと思われます。
遊水地で「干し上げ」を毎年行っている理由は、住民から「水道水がカビ臭いという苦情があったため」とのこと。このカビ臭の正体は、本当のカビではなく、藍藻類から放出されるジオスミン(ゲオスミン、ジェオスミンとも)という臭気物質です。そこで、藍藻類をできるだけ駆除してしまおうと、冬の間に水を抜いて湖底を日光にさらす「干し上げ」を行っているわけです。
しかし・・・ですね。水道水のカビ臭問題は日本全国にあって、全国の水道局共通の問題です。
たとえば、琵琶湖の場合は、
「2022/5/13現在、琵琶湖において植物プランクトンに由来する異臭味が発生しているため、影響を受けている浄水場で異臭味対策として活性炭処理を実施し、脱臭に努めております」
■大津市・水道水の異臭対応について
https://www.city.otsu.lg.jp/kigyo/about/water/suishitsu/18575.html
・・・というように、浄水場において活性炭処理などで対応しています。琵琶湖の水を抜いたりしません(^^)
水道水がカビ臭いという理由で水を抜くダム湖は渡良瀬遊水地くらいです。遊水地の自然環境のことを考えるなら「干し上げ」などやめた方が良いのに・・・と思っているのですが。
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